つい廃がついったを超えて

ツイ廃が140字以上ペラペラしゃべるブログです。

顔のはなし

恥ずかしながら、私は鏡をよく見る。

鏡だけじゃない。お店のガラスや、車の窓もよく見る。よく見るし、ずっと見ている。

私の横を歩いた人は「こいつまた自分の顔見てる…」となったことがあるかもしれない。すみません。ただ、私がそうするのは、自分の顔が好きだからではない。

 

小さい頃の私はそれはそれはかわいかったと母はよく言う。自分で写真を見てもそうだと思う。小4くらいまではかわいかった。自分で言うのもなんですが………まぁ10年以上前の自分なんてほぼ他人ということで許されたい。

 

小5からはお年頃ということでまぁーーーーーよく太った。私は元々丸顔だが、もーーーほんとにパンッパンまるまるという感じだった。パンッパンまるまるだったのは顔だけではない。もちろん四肢も胴体も全部だ。あとニキビがよくできた。しかも顔全体に。あと眼鏡をかけ始めた。あのメガネ全然似合ってなかったな〜今思えば。

でも小学生のうちは自分の容姿なんて気にならなかったし、誰にも何も言われなかった。誰にも何も言われなかったからこそ、自分の容姿なんて気にならなかった、と言うべきだろうか。

 

問題は中学に入ってからである。私は相変わらずパンッパンまるまるとしていた。相変わらずニキビもひどかったし、相変わらず似合わない眼鏡をかけていた。

 

話は変わりますが、どうして中学時代ってあんなに性格やばくなるんだろう。やっぱり大人と子どもの狭間だから?揺れ動くなにかしらがあるから?分かんないけど。あの頃は、もちろん自分も含め、みーんな性格悪かった。途中で関東から関西に引っ越したけど、どっちの中学校でもみんな性格やばかった。そういえばスクールカーストが表れたのも中学からだった気がする。テニス部の女の子が「ジミーズ頑張れよw」と声をかけてきたことを思い出す。昨日まで仲良くしてた子がある日突然私を無視するようになって、漫画みたいなことほんとにあるんだ!!!!と思った記憶もある(何日か経ったら何事もなかったかのように仲良くしている)。

 

それで、まぁそういう感じで、ある日私は音楽の授業を受けていた。ピアノを囲むようにして並んで、歌を歌っていた。前の男子たちがくすくす笑っていた。そして

「なぁ、ブスじゃない?」

という会話をしていた。

その男子たちが誰のことを言っていたのかは分からない。でも、私は自分の事を言われているんじゃないかと不安になって、そこからできるだけ口を開けないようにして歌った。

 

その日から、「私ってかわいくないな、ブサイクだな」と思うようになった。自分でも、いやそれだけの事でそんな気にする?という感じなのだけれど、中学生の私にとって他人からの初めての「ブス」という評価はかなり衝撃が強かったみたいだ。私のことを言ってたのか分からないんだけれど。私はもちろん人前で歌えなくなったし、少数人で面と向かって話をするのも苦手になった。「ブス」だと思われているんじゃないかと気が気でないのだ。自分でも自意識過剰だと思う。誰も私の顔なんて見てない。興味ない。分かってはいるけど怖かった。

そして「ブス」という評価に縛られながら転校して卒業して、高校に入学して卒業した。中高の写真は、プリクラも含めて全部捨てた。見たくないから。卒業アルバムはもう何年も開いていない。

 

大学に入ると、片道2時間通学が待っていた。

1回生のうちは一限ばっかりなので、5時半に起きて学校に行っていた。朝は眠たすぎて、ご飯食べる時間があるなら眠りたいという感じだったので、自然と朝ごはんを抜くようになった。学校に着いたら着いたで登山が待っていた。そういう日々を過ごしているとみるみる体重が落ちて、顔もまるまるくらいになった。

大学生になってニキビも落ち着いてきたし、コンタクトにもした。そしてお化粧を覚えた。もしかして私、かわいくなったんじゃない?(当社比)と思った。

もうみんな大人になったからか、「ブス」と言われることもなくなった。100人に1人は「かわいい」とか「美人」とか褒めてくれる。中高のときとは他人からの対応も変わった。こうして私は、中高の頃に比べて、自分の顔が好きになった。

 

それでも、「ブス」の衝撃はまだまだ私に影響を与えている。自分が他人からどう見えているかが常に気になってしまう。だから鏡でも窓ガラスでも自分の姿が映るものはなんでも見る。「ブス」じゃないかどうかが気になって仕方ないのだ。人前で歌うのも、面と向かって話すのも、相変わらず苦手だ。

 

肌が荒れたら死にたくなる。太るなんて言語道断だ。肌荒れはまだお化粧で隠せるけれど、太るのだけは本当に怖い。この前「太るのが怖いのに食べるのはやめられない」という状態になったときは、やばみが深みだなと思った。「吐けばいい」という思考になる前にとにかくよく寝た。友達が撮ってくれた写真も、家に帰ってから自分が映っているものは全部チェックする。してしまう。自撮りは美肌アプリを通さないととてもじゃないけど………アイコンにする時は加工もする。さっきも言った通り、今の自分の顔は割と好きだ。なんやかんや言って悪くないと思っている。もちろん良いとは言えないけれど。中高に比べればずっとマシだ。だからいい写真を撮ってもらったときはアイコンにしようと思う。でも自分の輪郭と鼻が好きではないので加工してスマートにする。そういう感じ。でもいつか、自分の顔のパーツ全部を好きだといえるようになればいいと思う。

いつか、人と面と向かって堂々と話せるようになればいいと思う。

そしていつか、鏡も窓ガラスも見ないで過ごせる日が来ればいいと思う。

 

まだ遠い未来の話だと思うけれど。