つい廃がついったを超えて

ツイ廃が140字以上ペラペラしゃべるブログです。

夢を諦めた日のこと

私は小学2年生のときからずっとアナウンサーになりたかった。

 

大学3年生になったばかりのとき、アナウンススクールに体験レッスンを受けに行った。大学3年生で通いだすなんて遅すぎるのは分かっていた。でも挑戦してみようと思った。

 

その日のレッスンは私を含めて2人だけだった。ドキドキしながら講師を待っていた。

 

来たのはすげ〜デブのおじさんだった。すげ〜汗をかいていた。うわぁ〜と思った。そういう人が嫌いだからだ。でもまぁ見かけで人を判断するのは良くない。私もすげ〜汗をかくし…

 

レッスンが始まった。レッスンは2時間で、1時間はもう1人のレッスンをただ見ているだけだった。まぁ無料体験なんてこんなもんか〜と思っていたし、見てるだけでも十分に楽しかったから良かった。

 

1時間が経過した頃、「どうしてここに来たの?」と聞かれた。私は、アナウンサーになりたくて、と答えた。講師は「もう大学3年生でしょ」「あなたの大学じゃあねぇ」と言った。大学3年生が遅すぎることは分かっていたし、アナウンサーの出身大学は有名私立のイメージもあったので、まぁそうですね、と答えた。しかしいくら国立山の上大学だからといっても、「あなたの大学じゃあねぇ」と言われたのはイラッときた。

 

そのあと、「アナウンスの経験はあるの?」と聞かれたので、「高校生のときは放送部に所属していました」と答えると、「放送部ね、一番嫌い。変な癖がついてるから。」と言われた。お言葉ですが放送部員はNHK(えぬえいちけー)のイントネーションやらアクセントやらを練習しているんですよ、と思ったが、ここまで何か言うたびに否定されてどうでも良くなってきていたので「そうなんですね〜」と適当に返事をした。

 

「これ読んでみて」と原稿を渡されたので読んだ。まぁ普通にダメ出しされた。それは別に良かった。そのためにレッスンに来たのだから。今思い返すとレッスンしてもらったのはこの一瞬だけだったように思う。

 

そのあと、フリートークしてみて、と言われたので何分か話した。そしたら「おもしろくない」「あなたの話なんて誰も聞きたくない」と言われた。はぁ…そうですか…となったのでそのまま声に出した。おもしろくないのはごめん。でも「あなたの話なんて誰も聞きたくない」はちょっと言い過ぎでは。私はあなたのことが嫌いで今はとにかく早く帰りたいってことしか考えてないんだよ。誰もお前に話したくなんかない。じゃあどうしたら聞きたくなるような話し方できますかね?と聞いたら「さぁね」と言われた。おい〜。レッスン#とは。

 

そのあとはもう1人の子の話をずっとしていた。この子は帰国子女で、すごく粘り強くて、こんなときにこんなことがあって、あーでこーで…くっっっそどうでもよかったので、へぇ〜そうなんですね〜へぇ〜そうですね〜と答えていた。

 

そうやってひとしきり話を聞いたあと、爆弾を落とされた。

 

「あなたはただの社会の歯車になるのがいいよ」と言われた。はぁ〜?その人が言うにはアナウンサーは社会の歯車じゃないんだって。馬鹿じゃないの。アナウンサーだって組織に所属して労働して税金納めて立派な社会の歯車じゃねーか。ろくなもんじゃねえなアナウンサーは。私はこんな人間になりたいわけじゃない!!!そう思った。まぁ冷静に考えればアナウンサーみんながみんなこんな思考じゃないって分かるけどその時はもう怒り心頭だったので絶対こんな人間にはなりたくない!!!!!!!!!!アナウンサーになんかならない!!!としか考えられなかった。

 

そうして私は夢を諦めたってわけ。まぁ普通に技術のなさも痛感したのですが………………

 

でもすぐに新しい夢ができた。「公務員!あなたは公務員が似合ってる!カウンターに座ってずっと歯車として働くの!」と言って講師がケタケタ笑っていたので、公務員になってやろうと思った。なんでだろ。今考えるとなんでその流れでそうなる?いや何となくわかるけどさ〜。でもまぁそのおかげで今は公務員(仮)として良き上司や先輩に恵まれ幸せに暮らしています。アナウンサーになろうとしなかったことも全く後悔していません。

 

帰り際、「あなたは貶されても『そうですね』としか言わないからつまらない。悔しいとかないわけ?」と言われたので大きな声ではっきりと「そうですね!!!」と答えた。気持ち、伝わったかな。

 

あの講師は今思い出しても腹立つけど、まぁ幸せに導いてくれてありがとな!達者で!